カンピオーネ! XVIII 魔王たちの断章 - (EPUB全文下载)
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书籍内容:
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主要登場人物
草
薙
護
堂
高校1年生。軍神ウルスラグナの権能を有するカンピオーネ。
エリカ・ブランデッリ
《赤銅黒十字》の魔術師。自称、護堂の「愛人」。
万
里
谷
祐
理
霊視の力を持つ媛巫女。護堂の「正妻」と称される。
リリアナ・クラニチャール
《青銅黒十字》の魔術師。護堂の「騎士」を自任する。
清
秋
院
恵
那
当代随一とされる「太刀の媛巫女」。護堂の「剣」として侍る。
甘粕冬馬
正史編纂委員会のエージェント。
サーシャ・デヤンスタール・ヴォバン
東欧の魔王。最古参のカンピオーネの一人。
アイーシャ夫人
妖しき洞穴の女王とうたわれる謎多きカンピオーネ。
Contents
第1話
媛巫女たちと七人目のカンピオーネ
第2話
王様の晩餐会
第3話
カンピオーネと勉強会
第4話
王様のゲーム
第5話
草薙家のアルバイト
第6話
ある日の男子(?)会
第7話
四方山昔語り
第8話
草薙護堂と奥多摩の怪物
第9話
神殺し、霧の都に集う
第10
話
内戦前夜
【電子版特典】カンピオーネ! おさらいBOOK
ダッシュエックス文庫DIGITAL
カンピオーネ!
魔王たちの断章
丈月 城
第1話 媛巫女たちと七人目のカンピオーネ
「カンピオーネっていうのはさ、英語だと『champion』に当たる言葉なんだ」
長い黒髪の少女――清
秋
院
恵
那
が語る。
明朗な人
柄
をそのまま表す、軽妙な語り口だった。
「王様とか戦士くらいの意味だと思えばいいのかな。あの人たちをふつうの人間や魔術師、霊力者なんかと区別するために、イタリアの人がつけた呼び方」
「たしかに、あちらの言葉らしい響きですね」
万
里
谷
ひかりはこくりとうなずいて、あいづちを打った。
語り手である恵那が一六歳、聴き手であるひかりは一二歳で小学六年生。やや歳
が離れているふたりは、先輩と後輩の関係であった。
どちらも『媛
巫
女
』と呼ばれる、日本古来の特殊な霊力者なのだ。
ひかりの姉も媛巫女で、恵那とはかなり親しい。そのため『太
刀
の媛巫女』とも呼ばれる清秋院恵那は、気軽に万里谷家を訪ねてくる。
今夜もふらりとやってきて、「ちょっと一晩泊めてよ」と笑顔で言ったのだ。
たまたま両親の帰りが遅い日で、ひかりの姉は夕食作りをはじめる直前だった。姉は突然の来訪者をやわらかな笑顔で迎えいれ、妹に言いつけたのである。
『晩ご飯ができるまで、恵那さんのお相手をしてあげて』
と。
姉――万里谷祐
理
はおだやかで心やさしい、おっとりとしたお嬢さまである。同じ家で生まれ育った妹を、お嬢さま気質という点では遥
かに上まわっている。
(まあ、やさしいだけのお嬢さまでないことも、妹なので重々承知していたが)
そんな姉と能天気で奔
放
な恵那。ふたりは不思議なほど仲がよかった。
ひかりもそういう姉たちが好きだった。だから、よろこんで「恵那姉さま」の話し相手をおおせつかったのだが。
雑談の途中で、ひかりはふと問いかけた。
そもカンピオーネとはいかなる者なりしか、と。ここ数カ月、万里谷家の近辺――具体的には姉のすぐそばで荒れ狂っているらしい災
厄
の運び手は何者なのかと。
「でも恵那姉さま。カンピオーネ――神殺しの方々はイタリアにだけいらっしゃるわけじゃありませんよね?」
媛巫女見習いのひかりは、カンピオーネに対して敬語を使う。
彼らは覇
者
であり、王者であり、魔王なのだと教育されているからだ。
カンピオーネとは『神』を殺
めて、その聖なる権
能
を簒
奪
した超人たち。神々とさえ比
肩
しうる力の所有者である。彼らは人類の枠から逸
脱
した『王』なのだ。
「うん。大昔から数えたら、歴代全員で何十人になるかはわからないけど、あの人たちはいろんな国といろんな文明で生まれてきた。数百年の間にひとりしか生まれなかった時期もあれば、今みたいに幾人もの王様が覇を競った時期もある」
恵那はよどみなく、軽やかに語っていく。
「西洋だけじゃなくて、もちろん東洋でも生まれたし、アメリカの方や太平洋のどまんなかに浮かぶ小さな島で誕生したこともあるらしいよ」
実は清秋院恵那、『お嬢さま』という点では万里谷家の姉妹を凌
駕
する。
先祖に戦国大名まで持つ名家の生まれ。フランクな言動からは想像しづらいが、諸芸に通じ、教養も十分にそなえる少女であった。
「一応、最近まで日本では生まれなかったみたい。でも記録されてないだけで、実は歴史のどこかで日本出身の神殺しがいても不思議じゃないけどね。実際、海を渡ってきた魔王の記録はちゃんと残ってるわけだし」
日本をふくむ漢字文化圏では、古来カンピオーネのことを『羅
刹
王
』『魔王』などと記してきた。もちろん一部の識者のみがひそかに伝えてきた呼称であったが。
「二百年くらい前かな。イタリアのなんとかって魔術師さんがはじめて神殺し――『カンピオーネ』についての本をまとめたんだ」
「本ですか!?
」
「うん。こういう人たちをカンピオーネと呼ぶことにしよう。彼らはこんなにすごい人たちだから、絶対さからっちゃいけないよーみたいな」
語りながら、恵那はしみじみと故人を偲
ぶ顔になった。
「なんかねー。何十年もカンピオーネに部下として仕
えて、その間、主君にさんざん振りまわされて苦労したんだって。で、主君がどこかで戦死したのを機に、自分の知ってることを本にしたんだとか。世の中に警
............
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