帝國海軍鬼道艦隊 - (EPUB全文下载)

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太平洋戦争シミュレーション
帝國海軍鬼道艦隊3
林 譲治
 
帝國海軍鬼道艦隊3*
目次
 プロローグ
 一章
 残された選択
 二章
 可能な選択
 三章
 ガ島異変
 四章
 索敵
 五章
 死守
 六章
 襲撃と喪失
 七章
 決戦
 
プロローグ
 無茶なことを考える奴はいるものだと、津田兵曹長は思った。自分たちの働きが必要なのはわかる。しかし、それにしてもこれはあまりに無茶だろう。だが戦局は自分たちにその無茶を要求している。
「艇長、どうです?」
「いやぁ、まだだ、津田さん」
 木造船の船橋から、艇長と呼ばれた中年男が顔を出す。徴用されたのか、国民兵役か。その辺のところは津田にはわからない。ただ一つ明らかなのは、この中年男の人生の大半は海の男としてのそれであり、艇長と呼ばれるのはこの二、三カ月ということだ。日焼けしたその逞しい姿は、しかし、軍人のそれではない。
「それより、本気で一人で?」
 それは今まで何度も話題になったことだが、艇長はなかなか納得しようとしない。同じ話を繰り返すのは、津田に無謀な出撃を止めさせたいからだろう。
 その気持ちはうれしい。だが津田に出撃しないという選択肢はなかった。艇長が津田を死なせたくないように、津田にも死なせたくない命がある。
「できるだけ軽くする必要がありますからね。搭乗員は一人です。なに大丈夫ですよ。飛んで、撃って、帰還するだけだから」
 そしてダメ押しでこう告げる。
「護衛戦闘機がないんですよ、敵には。大丈夫ですって」
「いまさら止めはしないが、無理しないことだ。漁師だって潮

が悪ければ引き揚げる」
 やはり元漁師だろうか。津田はふと思う。
 彼がいま乗っているのはいわゆる戦時標準船の一つだ。正確には戦時標準船を定めた規則によって建造された船。要するに鉄は大型船に、小型船は木造にという方針から建造された船の一つが、津田たちが乗るこの第三七国策丸だ。そう、木造船の量産は国策なのである。
 それは小型の木造貨物船のような船だった。船型は漁船をベースにしている。漁船なら魚を入れる魚倉に相当する部分は、大きな箱となっている。運べる物資の量は高が知れているが、こんな船でもあるとないではずいぶん違う。
 それに大型船と違って川を溯上できるから、海と内陸部をつなぐのには重宝だ。もっとも、それが重宝であるような輸送事情は問題ではあるのだが。
 ともかく箱なので何でも入れられる。逓信省あたりは大きなブリキのタンクをこの箱の中に設

え、南方からの石油輸送に使うことを考えているという噂もあった。時節柄、前線の島々に大砲などを運べるように、船倉の部分は木造ながら丈夫に作られていた。だから津田はこの船に乗っている。
「艇長、無線です!」
 これまた中年の通信員が大声で報告する。それとなく津田にも聞こえるようにだろう。津田は船橋に走って行く。
「来ましたか?」
 艇長は黙って頷く。そしておもむろに一〇人ほどの部下達に命じた。
「作業開始だ! 出撃準備!」
 第三七国策丸で唯一、津田と行動を共にしてきた整備員も作業に参加する。
「やれるだけのことはやりました」
 佐々木という若い整備員の言葉に、津田はわかっていると無言で頷く。
 これがいまの海軍だ。自分の親のような艇長の船と、自分の息子のような整備員。一億火の玉というのは、こういう状態を言うわけではなかったはずだ。が、いまさらそれを言ってもはじまらない。
 そして津田は機付き整備員の「やれるだけ」という言葉の中に、彼の苦渋を感じていた。整備員としての己れの技量への疑問、さらに補充部品の質と不足。津田から見れば整備員は常に最善を尽くしてくれている。しかし、重要なのは機体が望んだ性能を出せるかどうかにある。
 その意味で、彼に言えるのは「やれるだけ」であって、「最善を尽くしました」ではない。それを言えない悔しさを、彼の「やれるだけ」から津田は感じ取っていた。だから津田は整備員に声はかけなかった。慰めは侮辱にしかならないような気がするからだ。津田も整備員同様、不器用な男だった。
 その間にも作業は進む。国策丸の鉄パイプ製の簡易デリックが、船倉の中の機体を引き揚げる。
 それは艦載用に翼を翼端で折った飛行機だった。
 三式複座戦闘機の派生型だ。大型空母での運用を検討して試作されたが、艦載機になることはなかった機体。船倉の床面積は空母のエレベーターとほぼ同じであり、辛うじてだが収容できる。
 もちろん国策丸は空母ではなく、飛行甲板などない。だから戦闘機にはフロートがついていた。これから海面を滑水し、飛行するのである。そして空に舞い上がれば、フロートは捨てられる。そんなものをつけていては、戦闘はできない。
 すでに津田兵曹長は操縦席についていた。整備員を信頼していたが、機長として機内の装備を確認する責任がある。極限まで軽量化した機体。排気タービンの性能が設計どおりならここまでの軽量化は必要ない。だが排気タービンは気まぐれだった。このため搭乗員も一人だけという軽量化が求められる。
 重要なのはエンジン、そして武装。この双発水上戦闘機には武装は一丁しかない。五七ミリ自動砲。それだけがこの機体の武装のすべてだ。翼も胴体も、そして搭乗員さえも、この大砲を空に揚げるためだけに存在している。
 デリックといえば聞こえはいいが、単なる鉄パイプの工作物だ。鉄材の節約はこういう分野であっても例外はない。その単純な装置を使いながら、男たちは機体をぶつけることなく海面に降ろした。彼らも海兵団で即席の海軍軍人教育を施されたはずだが、そんな促成栽培の講習よりも長年の海の男の経験の方が、この場では役立っているらしい。
 フックの先に足をかけ、船員の一人が機体の上にいた。彼が機体のロープの緊縛を解くと、機体は安全に着水する。
 津田は国策丸との間合いを確認し、エンジンを始動する。整備員の〝できるだけ〟に嘘はない。エンジンは始 ............

书籍插图:
书籍《帝國海軍鬼道艦隊》 - 插图1

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