魔眼の匣の殺人〈屍人荘の殺人〉シリーズ - (EPUB全文下载)

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東京創元社
魔眼の匣の殺人
今村昌弘
目次
序章  新生ミステリ愛好会
第一章 魔眼の匣
第二章 予言と予知
第三章 相互監視
第四章 消えた比留子
第五章 凶器を前に
終章  探偵の予言
登場人物
葉村 譲
神紅大学経済学部一回生。ミステリ愛好会会長。
剣崎比留子
神紅大学文学部二回生。ミステリ愛好会会員。
十色真理絵
高校二年生。未来を見通す絵を描く予知能力者。
茎沢 忍
高校一年生。十色の後輩、オカルト好き。
王寺貴士
容姿端麗で物腰柔らかな会社員。
朱鷺野秋子
真っ赤な出で立ちの元好見の住人。
師々田厳雄
気難しい社会学教授。
師々田純
厳雄の息子。小学生。
臼井頼太
『月刊アトランティス』記者。
神服奉子
サキミに仕える好見の住人。
サキミ
未来を見通す予言者。
明智恭介
元ミステリ愛好会会長。
魔眼の匣の殺人
剣崎比留子殿
前略
 年明けの挨拶もろくにできず失礼した。そちらは変わりないだろうか。予定よりも報告が遅れたことは諒恕いただきたい。半年前とは事情がまるで変わってしまった。
 昨夏の、貴殿も巻きこまれた娑可安湖集団感染テロ事件。あの一件により、抹消されたはずの班目機関なる組織の研究内容がどこかに秘匿されている可能性が浮上し、公安も警戒を強めているのだ。
 事件以降連絡が取れないという貴殿の友人の情報はまだなく、公安の仕業とは断言できない。が、班目機関について徒に嗅ぎ回るべきではないのは確かだ。
 だというのに、今回の事件。
 貴殿はよほど班目機関と縁があるようだ。それもこれも、貴殿の否、本題に戻ろう。
 班目機関の拠点施設が岡山県O市にあったことは以前報告した通りだが、調査を進めていくうちに分署とも呼ぶべきいくつかの研究施設――判明しているだけでも関東地方に一つ、近畿地方に二つ、中国地方に一つ――が存在していたことが分かった。それぞれの施設ではテーマの全く異なる研究を行っていたようだ。
 そのうちの一つがあったのが、今回貴殿らが巻きこまれた事件の舞台、W県I郡旧真雁地区である。すでに一帯は公安に捜索し尽くされ、めぼしい手がかりは残っていない。しかし幸運にも二十年前まで旧真雁地区の近隣に住んでいた人物を探し当てることができた。本人はすでに亡くなっていたが、ご遺族の了承を得て遺品の日記帳に目を通すと、ある興味深い記述を見つけた。
 それは今回の事件で貴殿らが摑んだ情報の真実性を裏付けるもの――旧真雁地区の施設で、かつて超能力研究が行われていたという内容である……
序章 新生ミステリ愛好会
 サバの照り焼きこそ本格推理だ。
 前方の人物を睨みつけながら俺は確信した。
 ここは関西圏の有名な私大である神紅大学。そのキャンパスで最も大きなセントラルユニオンという学生食堂だ。
 大きなガラス壁に囲まれた広い食堂を、明るい木目調の天板のテーブルと椅子が埋め尽くしている。そろそろ午前中の講義が終わりを迎える頃で、さっきまでまばらだった学生の声が広い室内を満たしつつあった。
 騒がしさから逃れるように端の席で課題を消化していた俺は先ほどから手を止め、注文カウンターの近くでトレーを持つ一人の学生の挙動にじっと注目している。
 幼さの残る顔立ちからして、おそらく俺と同じ一回生であろう小柄な女子。ほんの少し茶色がかった髪を肩の上で切りそろえ服装や顔立ちにも派手さはない。学内ですれ違ってもきっと記憶に残らないだろう。名も知らぬ彼女は注文した品ができあがるのを待つ間、隣のコーナーで白飯と味噌汁を受け取った。
 さて、彼女はなにを注文したのだろう。俺は早速推理を始める。
 白飯を受け取ったのだから、まず丼ものやパスタやピザなど炭水化物の多い洋食は除外してよいだろう。ラーメンやうどんも同様に除外だ。他に情報はないか。
 彼女のすぐ目の前のケース内にはサラダや煮物といった副菜の小鉢が並んでいるが、手を伸ばす気配はない。若い女性がまったく野菜を摂らないとは考えづらいので、注文の品にきちんと野菜が含まれているのだろう。トンカツやハンバーグなど肉主体のメニューも除外してよさそうだ。
 とすると、野菜炒めや生姜焼きのような一品ものを注文した可能性と、メインのおかずに副菜も付いてくる日替わりプレートを注文した可能性がある。注目すべきは値段だ。一品ものはどちらかというと運動部や男子学生向けの大盛りメニューで、量が多い分五百円と値段も張る。六十円の白飯と三十円の味噌汁を追加すると、合計で六百円近くになる。女子学生の昼食とはややイメージが遠いし、仮に彼女が運動部員だったとしても平日の午前中に激しい運動をこなしてきたとは思えない。対して日替わりプレートはご飯と味噌汁も込みで四百三十円。お手頃だ。
 本日のプレートの品書きを確認すると、豆腐ハンバーグまたはサバの照り焼きのどちらかを選べるらしい。それぞれ付け合わせの野菜もある。うん、やはり女子が選ぶとしたらプレートだろう。
 では豆腐ハンバーグとサバの照り焼き、どちらのプレートだろうか。女性に人気がありそうなのは低カロリーの豆腐ハンバーグ? それとも――。
「ん?」
 俺の見ている前で、彼女は食器コーナーに歩み寄りケースから箸を取った。フォークやナイフには手をつけない。つまり豆腐ハンバーグではないのか。
 いや待て。豆腐ハンバーグを箸で食べることだって普通にあり得る。むしろ学食でフォークとナイフを使う方が珍しいじゃないか。
 二者択一でしばし迷ったが、最初に彼女が味噌汁を取ったことを思い出した。確か味噌汁には豆腐が入っていたはず。いかにヘルシー志向だろうと豆腐で被るメニューを選ぶだろうか?
 やはりサバの照り焼きだ! 彼女が通常の感性の持ち主であるならば!
 導き出された結論に満足し、結果を泰然と待 ............

书籍插图:
书籍《魔眼の匣の殺人〈屍人荘の殺人〉シリーズ》 - 插图1
书籍《魔眼の匣の殺人〈屍人荘の殺人〉シリーズ》 - 插图2

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